この記事でわかること
イギリスでは64%の飼い主がペットの誕生日を祝い、年間17億ポンド(約3,000億円)が費やされています。「ペットは家族」という価値観が生んだ独自のお祝い文化と、犬用ケーキの安全な作り方を紹介します。
「うちの子の誕生日には何か特別なことをしたい」。そう考える飼い主は日本にもたくさんいます。
しかしイギリスでは、その想いがさらに一歩進んでいます。ペット専用のバースデーケーキを焼き、プレゼントを用意し、時には友達の犬を招いてパーティを開く。そんな光景が珍しくありません。
調査によると、イギリスのペット飼い主の64%が誕生日やお迎え記念日を何らかの形でお祝いしています。この記事では、イギリス独自のペット誕生日文化の実態を、最新の統計データとともに紹介します。
64%の飼い主がペットの誕生日を祝う理由
オンラインカード会社Moonpigが1,000人のペット飼い主を対象に行った調査によると、64%がペットの誕生日または「ゴッチャデー」(お迎え記念日)をお祝いしていることがわかりました。ゴッチャデーとは、保護施設やブリーダーからペットを迎えた日を記念する習慣で、誕生日が不明な保護犬・保護猫の飼い主を中心に広まっています。
64%
ペットの誕生日を祝う飼い主の割合
Moonpig調査(2025年)
なぜこれほど多くの人がペットの誕生日を祝うのでしょうか。同調査では、その理由も明らかになっています。
最も多かったのは「ペットは家族の一員だから」という回答で、45%を占めました。次いで「特別扱いしてあげたい」が42%、「愛情を示したい」が40%、「ペットが喜ぶから」が37%と続きます。
興味深いのは世代による差です。Z世代(18〜24歳)の83%、ミレニアル世代(25〜34歳)の79%がペットの誕生日を祝っている一方、55歳以上ではわずか39%にとどまります。若い世代ほど「ペットは家族」という意識が強いことがうかがえます。SNSで愛犬・愛猫の写真を日常的にシェアする習慣も、この傾向を後押ししているのでしょう。
犬飼い主に限ると、誕生日を祝う割合は68%とさらに高くなります。犬は家族との結びつきが強く、飼い主がお祝いしたいと思う気持ちも自然と強くなるようです。また、まだ誕生日を祝ったことがない飼い主のうち14%が「今後始めたい」と回答しており、この文化はさらに広がる可能性を秘めています。
年間17億ポンドのペット誕生日市場
イギリスのペット誕生日祝いは、一大市場を形成しています。Moonpigの試算によると、イギリス全体で年間17億ポンド(約3,000億円)がペットの誕生日に費やされています。
1匹あたりの平均支出額は80ポンド(約15,000円)。別の調査では121ポンド(約22,000円)という数字も報告されており、決して少額ではありません。人間の家族へのプレゼントと同等か、それ以上の金額を愛犬・愛猫にかける飼い主も珍しくないようです。
具体的に何にお金を使っているのでしょうか。調査によると、59%の飼い主がペットに誕生日プレゼントを購入しています。人気のプレゼントは以下の通りです。
また、51%の飼い主がペットの名前でグリーティングカードに署名し、47%がペット宛てにカードを購入。SNSへの投稿も盛んで、犬飼い主の58%、猫飼い主の62%が誕生日の様子を投稿しています。
イギリスには犬用ケーキ専門のベーカリーも多数存在します。オンラインで注文すれば、愛犬の名前入りのオリジナルケーキが自宅に届く仕組みが整っています。犬の体質やアレルギーに配慮したオーダーメイドケーキを提供する店舗も増えており、飼い主のこだわりに応える市場が確立されています。
犬用バースデーケーキを安全に作るには
イギリスでは、犬用ケーキを手作りする飼い主も少なくありません。動物保護施設Battersea Dogs & Cats Homeは、安全な犬用ケーキのレシピを公開しています。
犬に与えてはいけない食材
人間用のケーキには、犬にとって有害な成分が含まれています。チョコレート、レーズン、キシリトール(人工甘味料)、ブドウは少量でも危険です。必ず犬専用のレシピを使いましょう。
犬用ケーキに適した安全な食材としては、バナナ、にんじん、全粒粉、無糖のプレーンヨーグルトなどがあります。小麦を避けたい場合は、米粉やアーモンド粉も使えます。
安全な犬用ケーキの材料例
全粒粉または米粉、すりおろしにんじん、つぶしたバナナ、無糖プレーンヨーグルト、卵。これらを混ぜて180度のオーブンで25〜30分焼くだけ。デコレーションには無糖ヨーグルトを使います。
注意点として、たとえ犬用レシピであっても、ケーキは「おやつ」として少量を与えることが大切です。普段のバランスの取れた食事の代わりにはなりません。
ペットの誕生日祝い文化
ペットの誕生日を祝う習慣は広がりつつあるが、専門市場は発展途上。ケーキは主にペット用品店やネット通販で購入。
64%が誕生日を祝い、年間17億ポンド市場に成長。犬用ベーカリーが多数存在し、オーダーメイドケーキも一般的。
パーティを開く場合は、招待する犬の数を愛犬の性格に合わせて調整することが大切です。社交的な犬なら友達を招いても楽しめますが、神経質な犬は少人数のほうがストレスなく過ごせます。また、ろうそくは犬がやけどをする危険があるため避け、犬用のトッパーや飾りで代用するのがイギリス流です。ゲストの犬にはお土産としておやつの詰め合わせを渡すことも多いようです。
まとめ
イギリスでは64%の飼い主がペットの誕生日を祝い、特に若い世代でその傾向が顕著です。年間17億ポンドという市場規模は、「ペットは家族」という価値観がどれほど深く根付いているかを物語っています。日本でもペットへの愛情表現の一つとして、誕生日のお祝いを取り入れてみてはいかがでしょうか。