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犬がかかりやすい病気Top10【獣医師監修】

愛犬の健康を守る!早期発見と予防のポイント

約11分
明るい表情の柴犬

この記事の監修者

石村 拓也

石村 拓也

シリウス犬猫病院 院長

シリウス犬猫病院

東京農工大学農学部獣医学科 卒

獣医師免許川崎市獣医師会日本獣医皮膚科学会Veterinary Ear disease Practice(耳研)日本獣医輸血研究会 輸血認定コーディネーター

大切な家族といつも笑って楽しく過ごすことの手助けになれば、と思いながら今回の記事を執筆しました。 日常のちょっとした違和感に早めに気づいてあげることが、病気の重症化を防ぐ近道です。 飼い主さんや、これから飼い主になる皆さんのお役に立てていたら、とても嬉しいです。

犬がかかりやすい病気Top10|症状・予防法を解説

この記事でわかること

  • 犬がかかりやすい病気とその発症率
  • 10種類の主要な病気の症状と特徴
  • 日常でできる予防法と健康管理のコツ

この記事は 約8分 で読めます。

愛犬の健康を守りたいと願う飼い主さんにとって、病気の知識は必要不可欠です。

適切な知識と予防対策があれば、多くの病気は防ぐことができ、早期発見で愛犬の負担を大きく減らせます。

犬がかかりやすい病気とは

犬は人間と比べて約4〜7倍の速さで老化します。

そのため病気の進行も早く、気づいたときには重症化していることも少なくありません。

ペット保険会社の公開している保険金請求データによると、犬の病気で最も多いのは皮膚疾患と消化器疾患で、それぞれ全体の約25%をしめています。その次に、耳の疾患が全体の約16%を占めています。

特に小型犬では歯周病や心臓病などの循環器の病気が多い傾向があります。関節の病気は小型犬・大型犬どちらにもみられますが、体重の重い大型犬のほうが痛みや歩き方への影響が大きく、問題になりやすいです。また、犬の高齢化により腫瘍と診断される機会も増えてきています。

犬種や体格によってかかりやすい病気は異なりますが、日頃の観察と定期的な健康診断が早期発見につながります。

ポイント

犬は痛みや不調を隠す習性があるため、飼い主さんが日々の変化に気づくことが重要です。食欲、元気、排泄の様子など、普段の状態を把握しておきましょう。

かかりやすい病気Top10

ここでは、犬が特にかかりやすい10種類の病気について、それぞれの特徴と症状を解説します。

各病気の詳細な治療法や予防策については、リンク先の専門記事をご確認ください。

1. 歯周病

歯周病は犬が最もかかりやすい病気の1つで、3歳以上の犬の約80%が歯周病または歯周病予備軍と言われています。

初期症状は歯肉の赤みや腫れ、口臭などです。進行すると歯がグラグラしてきて、最終的には抜け落ちてしまうこともあります。

さらに、歯周病菌が血液を通じて全身にまわると、心臓や腎臓などその他の臓器に重篤な疾患を引き起こす可能性があります。

予防には日々の歯磨きが最も効果的です。 できれば毎日歯磨きを行うことで、歯周病のリスクを大幅に減らすことができます。

2. 皮膚疾患

犬の皮膚疾患は、歯周病と同様に保険請求の約25%を占め、最も多い病気のひとつです。

かゆみ、赤み、脱毛が主な症状で、アレルギー性皮膚炎、膿皮症、真菌感染症など原因は多岐にわたります。

特にアレルギー性皮膚炎は慢性化しやすく、長期的な管理が必要になることが多い疾患です。

ダニやノミなどの外部寄生虫も皮膚トラブルの原因となるため、通年の予防が推奨されます。

3. 外耳炎

犬の病気で3番目に多いのが外耳炎で、保険請求の約16%を占めます。

耳を掻く、頭を振る、耳から異臭がするといった症状が見られます。

垂れ耳の犬種や耳道が狭い犬種は特に発症しやすく、放置すると中耳炎や内耳炎に進行することもあります。

週1回程度の耳掃除と、シャンプー後の耳の乾燥を心がけることで予防できます。

4. 関節疾患

散歩を嫌がる、足を引きずる、階段の昇り降りを避けるといった症状が見られたら関節疾患の可能性があります。

膝蓋骨脱臼、股関節形成不全などが代表的で、特に小型犬は膝蓋骨脱臼、大型犬は股関節形成不全になりやすい傾向があります。

肥満は関節に大きな負担をかけるため、適正体重の維持が最も重要な予防策です。

5. 消化器疾患

嘔吐や下痢は犬の病気の中でも特に多く、保険請求の約24.8%を占めます。

急性胃腸炎、膵炎、炎症性腸疾患など原因は様々で、異物誤飲が原因となることもあります。

嘔吐や下痢が続く場合、脱水症状を起こす危険性があるため早期の受診が必要です。

食事管理と、誤食を防ぐしつけが予防の基本となります。

6. 泌尿器疾患

頻尿、血尿、排尿時の痛みといった症状が見られたら泌尿器疾患を疑います。

膀胱炎、尿路結石、前立腺炎などが代表的な疾患です。

また慢性腎臓病の場合は、水をたくさん飲む・おしっこの量が増える、体重が減る、食欲が落ちる、元気がない、口が臭う といった症状がみられることがあります。

慢性腎臓病は罹患すると根治治療は難しいため、なるべく進行しないように生涯付き合っていく必要がある疾患です。

十分な水分摂取を促し、定期的に尿検査や血液検査を受けて、腎臓や泌尿器の異常の早期発見を心がけましょう。

7. 呼吸器疾患

咳、呼吸困難、運動不耐性などが主な症状です。

気管虚脱、肺炎、気管支炎などがあり、特に小型犬や短頭種は呼吸器疾患になりやすい傾向があります。

気管虚脱は進行性の病気で、早期発見と体重管理が重要です。

首輪ではなくハーネスを使用することで、気管への負担を軽減できます。

8. 循環器疾患

咳、疲れやすさなどが心臓病の初期症状として見られます。

僧帽弁閉鎖不全症は小型犬の高齢犬に多く、進行すると心不全を引き起こします。

また大型犬の場合は拡張型心筋症の発症が多くみられます。

定期的な心臓の聴診や超音波検査で早期発見が可能です。

9. 腫瘍

犬の死因の上位を占めるのが『悪性腫瘍(がん)』です。

体表にしこりを発見したら、良性・悪性にかかわらず早めに受診しましょう。また、身体の内部にできる腫瘍は見た目では気づきにくいことも多いため、年に1回程度の健康診断や画像検査などで、全身をチェックしてもらうことも大切です。

高齢になるほど腫瘍の発生率は上がり、7歳以上では特に注意が必要です。

早期発見・早期治療が生存率を大きく左右するため、日頃から愛犬の体を触って確認したり、定期検診をうける習慣をつけましょう。

10. 寄生虫症

コクシジウムなどの原虫や、回虫・鉤虫などの線虫、条虫といった消化管内部寄生虫に感染すると、主に下痢や嘔吐、血便、体重減少といった消化器の症状がみられます。

一方、血管内に寄生するフィラリア症では、咳が出る、運動を嫌がる、息が荒い、元気や食欲が落ちるなどの症状がみられ、重症化すると命に関わる危険な病気です。

定期的な予防薬の投与と便検査で予防・早期発見が可能です。

注意点

複数の症状が同時に現れる場合や、症状が急激に悪化する場合は、すぐに動物病院を受診してください。特に呼吸困難、けいれん、意識障害は緊急を要する症状です。

病気を予防するために

犬の病気を予防するには、日々の生活習慣と定期的な健康管理が鍵となります。

ここでは、すべての病気に共通する予防の基本をご紹介します。

1

適切な食事管理

総合栄養食を与え、おやつは1日の総カロリーの10%以内に抑えます。肥満は多くの病気のリスクファクターです。

2

適度な運動

犬種や年齢に応じた適度な運動は、肥満予防だけでなく、ストレス解消や免疫力向上にもつながります。

3

定期的な健康診断

7歳未満は年1回、7歳以上は年2回の健康診断が推奨されます。早期発見が治療の成功率を高めます。

4

予防医療の実施

ワクチン接種、フィラリア予防、ノミ・ダニ予防など、確実に実施しましょう。

5

日々のケア

歯磨き、耳掃除、ブラッシングなどの日常ケアは、病気の予防と早期発見につながります。

毎日の食事量と排泄の確認
毎日の歯磨き
月1回の体重測定
全身を触って皮膚のチェック
年齢に応じた健康診断

特に高齢期に入ると、病気のリスクは急激に高まります。

7歳を過ぎたら、より細やかな観察と定期検診を心がけましょう。

豆知識

犬は1歳で人間の15歳相当、その後は1年ごとに約4〜7歳ずつ年を取ります。7歳はすでにシニア期の入り口です。

よくある質問

犬が病気かどうか、どうやって見分ければいいですか?

普段と異なる行動や症状に注目しましょう。食欲不振、元気がない、嘔吐や下痢、咳、呼吸が荒い、歩き方がおかしい、体を痒がるなどが代表的なサインです。いつもと様子が違うと感じたら、早めに獣医師に相談することをおすすめします。

健康診断はどのくらいの頻度で受ければいいですか?

7歳未満の成犬は年に1回、7歳以上のシニア犬は年に2回の健康診断が推奨されます。犬は人間の約4〜7倍の速さで老化するため、人間の感覚よりも頻繁な検診が必要です。持病がある場合は、獣医師の指示に従って受診しましょう。

病気の予防で最も大切なことは何ですか?

日々の観察と適切な生活習慣の維持です。毎日愛犬の様子を見て、食欲、元気、排泄の状態を確認しましょう。適正体重の維持、バランスの取れた食事、適度な運動、定期的な予防医療が病気予防の基本です。また、歯磨きなどの日常ケアも忘れずに行いましょう。

まとめ

犬がかかりやすい病気は多岐にわたりますが、そのほとんどは日々の観察と適切な予防で発症リスクを下げることができます。3歳以上の犬の約80%が何らかの病気を経験するという統計がありますが、早期発見・早期治療により愛犬の負担を大きく軽減できます。 歯周病や皮膚疾患、消化器疾患など、特に多い病気については日常的なケアが効果的です。 定期的な健康診断と予防医療を欠かさず、愛犬が健康で長生きできるよう心がけましょう。 気になる症状があれば、自己判断せずに必ず獣医師に相談してください。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状や治療方針は個体差が大きいため、必ず獣医師等の専門家にご相談ください。

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