この記事でわかること
- 外耳炎の症状と見分け方
- 外耳炎が起こる原因と予防法
- 自宅治療と病院での治療方法・費用
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愛犬が頭を振ったり耳を掻いたりする様子が増えていませんか。
それは外耳炎のサインかもしれません。
外耳炎は犬が最もかかりやすい病気の一つで、ペット保険の保険金請求データでも上位にランクインしています。
この記事では、外耳炎の症状、原因、そして治療法まで詳しく解説します。
犬の外耳炎とは?初期症状をチェック
外耳炎とは、耳の入口から鼓膜までの外耳道に炎症が起きている状態です。
犬の外耳道はL字型に折れ曲がっているため通気性が悪く、トラブルが起きやすい構造になっています。
特にトイプードルのような垂れ耳の犬種や、耳に毛が多い犬種は注意が必要です。
注意点
外耳炎を放置すると、炎症が中耳や内耳に広がり、聴力低下やバランス感覚の異常を引き起こす可能性があります。早期発見が重要です。
外耳炎の主な症状
愛犬にこんな症状が見られたら、外耳炎の可能性があります。
健康な犬の耳は、ほとんど臭いがなく、耳垢も茶色、黒色が少量付いている程度です。
マラセチアという真菌が増殖すると、耳の臭いが強くなり、茶色や黒い耳垢がべったりと付着します。
外耳炎の原因は?なりやすい犬種も解説
外耳炎の原因は複雑で、複数の要因が絡み合って発症します。
獣医学では、主因・副因・増悪因・素因の4つに分類して考えます。
外耳炎の直接的な原因(主因)
外耳炎を単独で引き起こす主な原因は以下の通りです。
アレルギー性皮膚炎:食物アレルギーやアトピー性皮膚炎により、耳にかゆみが生じます。アトピー性皮膚炎では外耳炎の併発が頻繁にみられます。
寄生虫:耳ダニ(ミミヒゼンダニ)が寄生すると、強いかゆみとともに黒い耳垢が大量に出ます。
異物:散歩中に草の種などが耳に入り込むと、物理的刺激で炎症が起こります。
腫瘍:耳道内の腫瘍が耳道を塞ぎ、外耳炎につながることがあります。
二次的に起こる感染(副因)
外耳炎になった結果として、細菌やマラセチアが異常増殖します。
健康な耳にも少数存在する微生物ですが、炎症により環境が変化すると急激に増えて症状を悪化させます。
症状を長引かせる要因(増悪因)
一度外耳炎になると、耳道の腫れ(浮腫)や皮膚の厚みの変化、耳道が狭くなるなどの変化が起こり、炎症が治りにくくなることがあります。
また、鼓膜の奥まで炎症が広がり中耳炎を併発している場合や、自己判断で市販の点耳薬や綿棒による強い耳掃除を繰り返すことも、症状を長引かせる原因になります。
こうした「増悪因」があると、適切な治療をしても再発しやすくなるため、動物病院で耳の状態をしっかり確認してもらうことが重要です。
外耳炎になりやすい体質・構造(素因)
ポイント
垂れ耳、耳道が狭い、耳毛が多いといった構造的要因は、耳道内の通気性を悪くし、高温多湿な環境を作り出します。これが細菌や真菌の増殖を助長します。
外耳炎になりやすい犬種の例:
コッカースパニエル、ゴールデンレトリバー、ミニチュアダックスフンド、トイプードル、ビーグルなど。
ただし、立ち耳の犬種でも外耳炎になることはあります。
外耳炎の治し方|自宅治療と病院での治療費
外耳炎の治療は、原因に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。
動物病院での診断と治療
動物病院では、まず耳鏡で外耳道を観察し、耳垢を顕微鏡で検査します。
この検査で、細菌、マラセチア、耳ダニなどを確認できます。
耳の洗浄
専用の洗浄液で外耳道内の耳垢や汚れを取り除きます。軽度の外耳炎では、これだけで改善することもあります。
点耳薬の処方
抗生物質やステロイドを含む点耳薬を使用します。最近では、初回投与後、7日後に再投与する長時間作用型の点耳薬(例:オスルニア)もあります。
基礎疾患の治療
アレルギーが原因の場合は、アレルギー治療を並行して行います。食物アレルギーなら食事療法、アトピーなら痒み止めの投薬が必要です。
治療費の目安
| 項目 | 目安費用 | 所要・頻度 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 初診(検査含む) | 約3,000〜5,000円 | 初回のみ | 耳垢検査・耳鏡検査を含む |
| 点耳薬 | 約1,000〜2,000円 | 1〜2週間分 | 軽度の外耳炎の場合 |
| 再診(経過観察) | 約1,000〜3,000円 | 1〜2週間ごと | 耳洗浄の処置費を含む |
注意点
本料金表は、公開されている統計資料・調査資料(アニコム家庭どうぶつ白書等および日本獣医師会関連資料など)をもとにした目安です。実際の診療内容・費用は動物病院ごとに異なりますので、正確な金額については必ず各動物病院にお問い合わせください。
重度の外耳炎や再発を繰り返す場合は、細菌培養検査や薬剤感受性試験(追加費用5,000円〜)が必要になることもあります。
自宅でできる対処法
動物病院での治療後、自宅でも適切なケアを続けることが大切です。
点耳薬の使い方:
点耳薬は冷たいと犬が驚くので、手で温めてから使います。
耳介を持ち上げて外耳道が見えるようにし、適量を垂らします。
耳の付け根を優しくマッサージして薬を奥まで行き渡らせ、犬が頭を振って余分な液を出すのを待ちます。
注意点
綿棒での耳掃除は、耳道を傷つけたり、耳垢を奥に押し込んだりする危険があるため推奨されません。耳洗浄液を湿らせたコットンで、見える範囲を優しく拭き取る程度にしましょう。
市販薬は使える?
市販の耳洗浄液は予防や軽度のケアには有効ですが、外耳炎の治療には不十分です。
外耳炎の原因は多岐にわたるため、まず獣医師の診断を受けることが重要です。
誤った市販薬の使用は、症状を悪化させる可能性があります。
外耳炎の予防法|日常のケアで再発を防ぐ
外耳炎は一度治っても再発しやすい病気です。
日常的なケアで予防することが大切です。
定期的な耳のチェック
最低でも週に1回は耳の中をチェックする習慣をつけましょう。
赤み、腫れ、耳垢の量や色、臭いの異常がないか確認します。
垂れ耳の犬は、耳を持ち上げて換気することも効果的です。
適切な耳の洗浄
獣医師に相談して、愛犬に合った洗浄頻度を決めましょう。
最近では、耳掃除のやりすぎが外耳炎を引き起こすケースも増えています。
洗浄液は、低刺激性で耳に優しいものを選びます。
水分管理
シャンプーや水遊びの後は、しっかり耳を乾かすことが重要です。
湿った環境は細菌やマラセチアの増殖を促します。
基礎疾患の管理
アレルギー体質の犬は、アレルギー治療をしっかり行うことで外耳炎のリスクを下げられます。
食物アレルギーが疑われる場合は、獣医師と相談して適切なフードを選びましょう。
よくある質問
外耳炎は自然に治りますか?
外耳炎は自然治癒しません。放置すると慢性化し、中耳炎や内耳炎に進行する危険があります。症状に気づいたら早めに動物病院を受診してください。
外耳炎は他の犬にうつりますか?
外耳炎自体はうつりませんが、耳ダニが原因の場合は接触によって感染する可能性があります。多頭飼いの場合は、すべての犬の耳を定期的にチェックしましょう。
どのくらいで治りますか?
軽度の外耳炎なら1〜2週間で改善しますが、重度の場合や基礎疾患がある場合は数週間から数ヶ月かかることもあります。再発を繰り返す場合は、長期的な管理が必要です。
まとめ
犬の外耳炎は、頭を振る、耳をしきりに掻く、耳の臭いが強くなる、耳垢の量が増える・ベタつくといった変化で気づくことができます。原因はアレルギー、細菌・真菌感染、耳ダニ、異物など多岐にわたり、複数の要因が絡み合って発症します。治療は動物病院での耳洗浄と点耳薬が基本です。自宅では点耳薬の適切な使用と定期的な耳のチェックが重要で、市販薬だけでの治療は推奨されません。予防には週1回の耳チェック、適切な洗浄、水遊び後の乾燥、基礎疾患の管理が効果的です。早期発見と適切な治療で、愛犬の耳の健康を守りましょう。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状や治療方針は個体差が大きいため、必ず獣医師等の専門家にご相談ください。
