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犬の足裏(肉球)ケアのやり方

乾燥や赤みなど足裏トラブルを防ぐバリカンの使い方と保湿ケアを獣医学的根拠とともに紹介

約10分
足裏ケアを受ける犬

この記事の監修者

葛野 莉奈

葛野 莉奈

かどのペットクリニック 院長

かどのペットクリニック

麻布大学獣医学部獣医学科 卒

獣医師免許ながたの皮膚科塾修了

日常生活の中で、知っておくと安心できることや気を付けておくべきことなどを発信できたらと思っています。 この記事が、「知らなかった!」ということを解決するお役に立てたらうれしいです。 人間と全く異なる生き物であるため、お互いのことをよく知り合って、適切な信頼関係を築けると、一緒に過ごす時間がより充実したものになると思います。 ぜひペットさんたちとの時間を、より楽しいものにしていただけたらと思います!

この記事でわかること

  • 犬の足裏ケアの正しいやり方と適切な頻度
  • バリカンの安全な使い方と嫌がる犬への対処法
  • 乾燥・赤みなど足裏トラブルへの対処と受診の目安

この記事は 約8分 で読めます。

愛犬の足裏、最後に見たのはいつですか?

実は足裏は、愛犬の健康を守るために欠かせない部位です。

毛が伸びすぎると滑って転倒したり、汚れがたまって皮膚病になったりすることも。

でも、いざバリカンを当てようとしたら激しく嫌がられた…そんな経験はありませんか?

本記事では、初心者でも安全にできる足裏ケアの方法を、詳しく解説していきます。

犬の足裏ケアの重要性と肉球の役割

肉球が果たす3つの重要な役割

犬の肉球は、ただのクッションではありません。

実は3つの重要な役割を担っています。

まず、歩行時の衝撃を吸収するクッション機能です。[1]

肉球には脂肪や弾性線維が豊富に含まれており、地面からの衝撃を和らげます。

次に、滑り止めとしての機能です。

肉球の表面はザラザラしており、急ブレーキや急カーブでもグリップ力を発揮します。

そして、体温調節の役割も担っています。

犬は肉球にあるエックリン汗腺から汗をかき、わずかながら体温調節を行っています。

ポイント

犬の皮膚(表皮)は人間より薄くとてもデリケートです。足裏の皮膚はさらに薄いため、優しいケアが必要です。

足裏の毛が伸びると起こる3つのリスク

足裏の毛を放置すると、どんなリスクがあるのでしょうか。

第一に、転倒や骨折のリスクが高まります。

肉球が毛で覆われると滑りやすくなり、フローリングで転倒する危険性が増加します。

特に高齢犬では、関節への負担が大きくなります。

第二に、皮膚トラブルが発生しやすくなります。

毛が長いと汚れや雑菌がたまりやすく、趾間膿皮症などの皮膚炎を引き起こすことがあります。[3]

第三に、異常の早期発見が遅れてしまいます。

毛で隠れていると、傷や異物、肉球の損傷を見逃しやすくなります。

足裏ケアの正しいやり方【初心者向け】

準備するもの

犬用バリカン(足裏用・刃の長さ2mm以下推奨)
コーム(毛の流れを整える用)
犬用保湿クリーム
おやつ(ご褒美用)
タオル(足を拭く用)

注意点

人間用のバリカンは刃が粗く、犬の薄い皮膚を傷つける危険性があります。必ず犬用を使用してください。

バリカンを使った足裏カットの手順

1

犬を落ち着かせる

まず、犬を安定した場所に座らせ、優しく声をかけます。無理に抱きかかえず、犬が自然な姿勢でいられるようにしましょう。小型犬なら膝の上でもOKです。

2

バリカンの音に慣らす

いきなり足に当てるのではなく、まず少し離れた場所でバリカンのスイッチを入れます。音に驚かないか様子を見ながら、徐々に近づけていきます。

3

足を優しく持つ

関節を軽く持ち上げ、足裏を見えるようにします。力を入れすぎると犬が嫌がるため、優しく支える程度の力加減を心がけましょう。

4

つま先からかかとへカット

バリカンの刃を皮膚と水平に保ち、毛の流れに逆らう方向(つま先→かかと)に動かします。肉球に沿わせるように、軽く押し当てながらカットしていきます。直接肉球の皮膚表面に刃を当ててしまうと、皮膚に炎症を起こしてしまったり出血してしまったりする危険性があるため注意が必要です。皮膚がデリケートで、バリカンの刃に負けやすい子もいるため、もし赤くなってしまうようであれば速やかに受診をしたり、次回以降はプロに任せるようにしましょう。

5

肉球の間も忘れずに

指で肉球を優しく開き、肉球と肉球の間に生えている毛もしっかりカットします。ここは汚れがたまりやすい場所です。

6

保湿ケア

カットが終わったら、犬用保湿クリームを薄く塗り込みます。マッサージするように塗ると血行も良くなります。

7

ご褒美を与える

最後におやつを与え、「足裏ケア=良いことがある」と覚えてもらいましょう。じっとしていられたら、たくさんほめてあげることも立派なご褒美になります。こうした積み重ねで、次回からのケアがよりスムーズになります。

ケアの適切な頻度

屋内の床材や散歩量、被毛の伸び方によって個体差がありますが、目安としてはどの犬種でも月1回くらいのペースでチェックしてあげると安心です。

足裏の毛が伸びやすい子もいるので、こまめに伸び具合を観察して、愛犬の足裏の毛がどのくらいのスピードで伸びるかを把握しておきましょう。

犬種別の足裏ケア頻度の目安
犬種タイプ ケア頻度 代表的な犬種
長毛種 月1回 トイプードル、シーズー、マルチーズ
中毛種 1.5〜2ヶ月に1回 柴犬、コーギー、ビーグル
短毛種 2〜3ヶ月に1回 チワワ、ミニチュアピンシャー

嫌がる犬への上手な対処法

犬が足裏を触られるのを嫌がる理由

なぜ多くの犬が足裏を触られるのを嫌がるのでしょうか。

実は、犬の足裏には神経細胞が集中しており、体の中でも特に敏感な部位です。

触れられた時の不快感は、人間が口や耳の中を触られる時の感覚に近いとされています。

さらに、足裏には汗腺があり、体温調節や老廃物の排出を行っています。

デリケートな部位だからこそ、慎重なアプローチが必要なのです。

段階的な慣らし方

足裏ケアを嫌がる犬には、焦らず段階的に慣らしていきましょう。

まず、日頃から足を優しく触る習慣をつけます。

リラックスしているときに、数秒だけ足を触り、すぐにご褒美を与えます。

慣れてきたら、少しずつ触る時間を延ばしていきます。

次に、バリカンの音に慣らします。

バリカンのスイッチを入れ、遠くから音を聞かせながらおやつを与えます。

音と良いことが結びつくよう、繰り返し練習しましょう。

最後に、実際のケアを1日1本の足から始めます。

無理せず、少しずつ進めることが成功の秘訣です。

豆知識

2人がかりでケアを行うと、1人が犬を優しく支え、もう1人がカットに集中できます。初心者には特におすすめの方法です。

足裏の乾燥・赤みへの対処法

乾燥の原因と予防

犬の肉球が乾燥する原因はいくつかあります。

冬場の暖房による空気の乾燥、夏場の熱いアスファルトによるダメージ、過度な足洗いなどが代表的です。

足を洗いすぎると、肉球表面の保護膜がはがれ、乾燥や炎症を引き起こすことがあります。

散歩後は、まず濡れタオルで軽く拭き取るだけでも十分です。

汚れがひどいときは、ぬるま湯でしっかり洗ってOKですが、そのあとはタオルドライとドライヤーで根元までしっかり乾かすことを習慣にしましょう。

注意点

人間用の保湿クリームは、犬が舐めると危険な成分が含まれている場合があります。必ず犬用の製品を使用してください。

赤みや炎症が見られる場合

足裏に赤みがある場合、いくつかの原因が考えられます。

アレルギー性皮膚炎、細菌感染、マラセチア皮膚炎などが代表的です。

特に柴犬などはアレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎になりやすい犬種です。

赤みに加えて以下の症状がある場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

しきりに足を舐めたり噛んだりする
足裏から異臭がする
腫れや出血がある
歩き方がおかしい
脱毛が見られる

動物病院を受診する目安

自宅ケアで改善しない場合や、以下の症状が見られる場合は必ず受診してください。

傷や出血がある、肉球に亀裂が入っている、触ると痛がる、跛行(足を引きずる)が見られる場合は要注意です。

また、肉球の色が変わった、しこりができた、という場合も早めの受診をおすすめします。

よくある質問

バリカンとハサミ、どちらが安全ですか?

初心者には犬用バリカンがおすすめです。犬用バリカンは刃が細かく、ケガをしにくい構造になっています。ハサミは犬が動いた時に肉球を傷つける危険性が高いため、慣れない方にはバリカンの使用をお勧めします。

トリミングサロンに頼む場合の費用はどのくらいですか?

足裏カットのみの場合、おおよそ1,000〜3,000円程度が相場ですが、犬種やサロンによって料金は異なります。お近くのトリミングサロンに問い合わせてみてください。

子犬はいつから足裏ケアを始めるべきですか?

明確な基準はありませんが、早期から、足を触る練習を始めましょう。本格的なバリカンでのカットは、音や接触に十分慣らしからてから始めるのが一般的です。ただし、足裏の毛が伸びて滑りやすくなっている場合は、早めにケアを開始しても問題ありません。

まとめ

犬の足裏ケアは、転倒防止や皮膚病予防のために欠かせない日常ケアです。犬用バリカンを使い、月1〜2回の頻度で肉球の間まで丁寧にカットしましょう。嫌がる犬には、日頃から足を触る習慣をつけ、段階的に慣らすことが大切です。乾燥には犬用保湿クリームでケアし、赤みや異臭などの異常が見られる場合は早めに動物病院を受診してください。愛犬の健康な足元を守るため、正しい知識をもって優しくケアしてあげましょう。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状や治療方針は個体差が大きいため、必ず獣医師等の専門家にご相談ください。

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