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猫がかかりやすい病気Top10【獣医師監修】

慢性腎臓病から歯周病まで。猫が隠す病気のサインを見落とさない健康管理ガイド

約9分
猫がかかりやすい病気Top10【獣医師監修】

この記事の監修者

増田 国充

増田 国充

ますだ動物クリニック 院長

ますだ動物クリニック

北里大学獣医畜産学部獣医学科 卒

獣医師免許愛玩動物看護師免許国際中医師国際中獣医学院日本校副校長比較統合医療学会獣医鍼灸認定医 第I種日本ペット中医学研究会学術委員日本小動物獣医師会動物診療助手認定委員会副委員長防災士

どうぶつの医療は、今よりさらによいものとなるべく日々進歩しています。 それによってこれまでに比べて寿命が大きく延長しました。 一緒にいられる時間が永くなるだけでなく、より健康で、より幸福であることが重要です。 みなさまのちょっとした気づきが、愛犬や愛猫が健やかに過ごすために欠かせません。 そんな情報を提供できればと思っております。

猫がかかりやすい病気Top10|症状・予防法・治療法を獣医師が解説

この記事でわかること

  • 猫が最もかかりやすい病気10種とそのリスク
  • 見落としやすい初期症状と見つけ方
  • 病気別の予防法と健康管理のポイント

この記事は 約6分 で読めます。

重要なポイント

猫は本能的に弱みを隠す動物です。 症状に気づいた時には、既に病気が進行していることがほとんど。 定期的な健康診断と日常の細かな変化観察が、早期発見の鍵となります。

猫がかかりやすい病気とは

猫の平均寿命が延びている一方で、 加齢に伴う病気のリスクも高まっています。 [1] 特に3歳以上の猫では、 特定の疾患の発症率が顕著に上昇する傾向が報告されています。

猫がかかりやすい病気の多くは、 初期段階では症状が微妙で、 飼い主が気づきにくいという特徴があります。 多飲多尿、体重変化、食欲不振、排尿異常など、 「いつもと違う」という小さなサインを見逃さないことが重要です。

本記事では、猫がかかりやすい病気10種を リスクランキング形式で紹介し、 各疾患の症状・原因・予防法をわかりやすく解説します。 愛猫の健康を守るための知識として、ぜひ参考にしてください。

かかりやすい病気Top10と症状

1. 慢性腎臓病(CKD)

猫の死因第1位であり、 高齢猫の30~40%が罹患していると言われています。 [2] 初期段階では目立った症状がないため、 気づいた時には腎機能が50%以上失われていることも珍しくありません。

多飲多尿、体重減少、食欲不振が主な症状です。 一度失われた腎機能は回復しないため、 早期発見と食事療法による進行抑制が重要です。

2. 下部尿路疾患(FLUTD)・膀胱炎

頻尿、血尿、排尿困難が特徴的です。 [2] ストレス、食事内容、加齢が主な原因となります。 特にオス猫は尿路結石のリスクが高く、 排尿困難が続くと尿閉(尿が出ない状態)になり、 これは生命に関わる緊急事態です。

トイレの様子を日常的に観察することが早期発見のコツです。 トイレから出た直後や排尿中の鳴き声、 頻繁にトイレに出入りする行動には要注意。

3. 歯周病・口腔内疾患

3歳以上の猫の70~80%が罹患していると報告されています。 [3] 口臭の悪化、よだれ、食欲不振が主症状です。 進行すると全身疾患(心臓病、腎臓病)につながるリスクも高まります。

歯周病は「沈黙の病気」と呼ばれ、 気づいた時には歯が抜け落ちていることもあります。 予防には定期的なプロフェッショナルクリーニングと、 可能な範囲での日常的なケアが必要です。

4. 皮膚疾患・皮膚炎

掻痒感、脱毛、発疹が主な症状です。 ノミアレルギー、食物アレルギー、猫アトピー症候群(FAS)など 原因は多岐にわたります。 特にノミアレルギーは1匹のノミでも反応を示すため、 定期的な予防薬投与が重要です。

過度な掻きや毛づくろいで皮膚が傷つき、 二次感染に発展することもあります。 同じ部位の脱毛が続く場合は、 早めに獣医師に相談してください。

5. 消化器疾患・嘔吐・下痢

嘔吐と下痢が頻繁に見られます。 毛球症、異物誤飲、炎症性腸疾患など原因は多様です。 [5] 時折嘔吐するのは猫では一般的ですが、 週3回以上の場合は医学的対応が必要です。

グルーミングで飲み込んだ毛が原因の毛球症は、 定期的なブラッシングで予防できます。 下痢が続く場合は脱水症状のリスクも考慮が必要です。

6. 呼吸器疾患・猫風邪

くしゃみ、鼻水、目やにが典型的な症状です。 ウイルス感染が主な原因で、 多頭飼育環境では急速に広がります。 [6] 高齢猫や免疫力の低い猫では症状が重篤化しやすいため注意が必要です。

予防にはワクチン接種が効果的ですが、 100%発症を防ぐことはできません。 発症した場合は、 温かく清潔な環境での安静が重要です。

7. 腫瘍・リンパ腫・乳腺腫瘍

リンパ腫は猫のがんの中で最も多く、 乳腺腫瘍は未避妊猫に特に多く見られます。 乳腺腫瘍の約80%が悪性であり、 早期発見がその後の生存期間に大きく影響します。

しこり、食欲不振、体重減少、 元気低下などが見られたら要注意です。 特に乳房の異常は触診で気づける場合が多いため、 定期的に優しく触って確認することが大切です。

8. 糖尿病

多飲多尿が最初の兆候で、 進行すると体重減少が著しくなります。 肥満猫と高齢猫に発症リスクが高い傾向があります。 [8] インスリン治療と食事療法の組み合わせが主な治療法です。

初期段階での食事内容の改善(高たんぱく食)により、 症状が緩和・改善する例も報告されています。 定期的な血液検査で早期発見することが重要です。

9. 甲状腺機能亢進症

高齢猫(シニア猫)に多く見られます。

食欲が増えているのに体重が減り、多飲多尿や活動亢進が特徴です。

甲状腺ホルモン値の上昇が診断の鍵となります。治療は、甲状腺ホルモンの分泌を抑えるお薬による投薬療法が基本です。

状態によっては、甲状腺の一部を切除する手術や、ヨウ素量を調整した食事療法が選ばれることもあります。

高齢猫にも安全な治療法が確立されているため、 早期診断・早期治療が予後の改善につながります。

投薬療法、手術、放射性ヨウ素治療など複数の治療選択肢があります。 高齢猫にも安全な治療法が確立されているため、 早期診断・早期治療が予後の改善につながります。

10. 寄生虫症・ノミ・ダニ・内部寄生虫

外部寄生虫(ノミ・ダニ)と 内部寄生虫(回虫・条虫)の両者が脅威です。 [10] 特に野外活動のある猫や 多頭飼育環境では感染リスクが高まります。

定期的な駆虫と予防薬の投与が最も効果的な予防法です。 完全室内飼いでも、 飼い主が外から持ち込むリスクがあるため注意が必要です。

病気を予防するために

注意点

完全に病気を予防することは不可能です。 重要なのは、 早期発見による軽症のうちの治療と、 病気の進行抑制です。

1. 定期的な健康診断

生後1~7歳は年1回、 シニア期(7歳以上)は年2回の健康診断が推奨されています。 [11] 血液検査、尿検査により、 症状が出ていない段階での異常を発見できます。

2. 日常の観察ポイント

毎日の食事量と食べ方の変化
排尿・排便の頻度と量
飲水量の増加
毛並みの変化と脱毛
活動量と睡眠時間
体重測定(月1回程度)
口臭や呼吸の変化

3. 環境管理

ストレスは多くの病気の原因となります。 静かでリラックスできる環境、 十分な運動スペース、定期的な遊びを心がけましょう。 定期的なブラッシングと爪切りも、 スキンシップ兼ねて異常発見の機会となります。

4. 栄養管理と食事

年齢と健康状態に合わせた適切な食事が基本です。 特にシニア猫には、 腎臓と泌尿器系に配慮した食事が推奨されています。 肥満は多くの病気のリスク要因となるため、 適切な給与量の管理が重要です。

よくある質問

猫の健康診断はいつから必要ですか?

子猫期(1歳まで)は年3~4回、 成猫期(1~7歳)は年1回、 シニア期(7歳以上)は年2回が目安です。 ただし病歴や健康状態により異なるため、 かかりつけの獣医師に相談してください。

症状がなくても血液検査は必要ですか?

症状が出ていない段階での血液検査(スクリーニング検査)により、 多くの病気を早期発見できます。 特に7歳以上のシニア猫では、 定期的な血液検査が病気の早期発見に非常に有効です。

完全室内飼いでも寄生虫予防は必要ですか?

完全室内飼いであっても、 飼い主が外から持ち込むノミやダニのリスクがあります。 また、定期駆虫により予期しない内部寄生虫感染も防ぐことができるため、 獣医師の指導に従った予防がおすすめです。

まとめ

猫がかかりやすい病気は、 症状が出た時には既に進行していることが多いため、 定期的な健康診断と日常の細かな変化観察が命を守る鍵です。 本記事で紹介した10種の病気の初期サインを知り、 かかりつけ獣医師と二人三脚で愛猫の健康寿命を延ばしましょう。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。 猫の症状や治療方針は個体差が大きいため、 症状や行動の変化に気づいた場合は、 必ず獣医師等の専門家にご相談ください。

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