ガイド

猫の爪切りのやり方・頻度ガイド

初心者でも安心!どこまで切る?暴れる猫への対策も

約9分
爪切りを待つ可愛い猫

この記事の監修者

谷口 史奈

谷口 史奈

猫の診療室モモ 院長

猫の診療室モモ

山口大学農学部獣医学科 卒

獣医師免許JSFMねこ医学会ISFM(国際猫学会)

品川区にある「猫の診療室モモ」という猫の病院の院長です。 すべての猫にもっと気軽に医療を受ける機会をもってほしい、との思いから猫だけの病院を開業いたしました。 診療は一般的な内科診療を主とし、送迎や往診、長期ホテル預かり、保護猫活動のお手伝いなども積極的に行い、「猫との暮らしを、もっとハッピーに」をテーマとした診療を目指しています。 飼い主さまとよく相談しながら、それぞれの家庭での「幸せ」を第一に考えてケアを行っています。

この記事でわかること

  • 猫の爪切りの基本的なやり方と安全な切る深さ
  • 嫌がる猫への効果的な対処法と慣らし方
  • 適切な爪切り頻度と病院依頼の判断基準

この記事は 約7分 で読めます。

猫を飼い始めて、伸びてきた爪に悩んでいませんか。

家具が傷つき始めたり、抱っこすると引っかかれたり。

自分で切ろうとしたら激しく抵抗されて、どこまで切っていいかも不安になりますよね。

実は、室内飼いの猫には定期的な爪切りが必要です。[1]

爪切りをせず放置すると、猫自身がケガをしたり、飼い主が感染症にかかるリスクもあります。[2]

この記事では、初心者でも安全に爪切りができるよう、正しい切り方から嫌がる猫への対処法まで解説します。

猫に爪切りが必要な理由と爪の構造

室内飼いの猫に爪切りが必要な3つの理由

屋外の猫は木登りや狩りで爪が削れますが、室内飼いにはその機会がありません。

爪切りをしないと以下のトラブルが起こるリスクがあります。

カーペットなどに引っかかって爪が根元から折れ、出血する
巻き爪になって肉球に刺さり、化膿や歩行困難を引き起こす
飼い主や同居猫を引っかいて大ケガをさせてしまう

特に高齢猫は爪とぎをしなくなり、巻き爪のリスクが高まります。[3]

注意点

猫に引っかかれた傷から猫ひっかき病やパスツレラ症という感染症にかかることがあります。[4][5]定期的な爪切りで感染リスクを減らせます。

爪とぎと爪切りの違いを理解しよう

「うちの猫は爪とぎをしているから大丈夫」と思っていませんか。

実は、爪とぎと爪切りはまったく別の役割があります。

爪とぎは古い外側の層を剥がして、内側の新しく鋭い爪を出す行為です。[1]

爪切りは鋭く尖った先端部分を切り落とし、長さを適切に保つ役割です。

爪とぎをしていても爪は鋭いまま伸び続けるため、定期的な爪切りが必要なのです。

18本
猫の爪の総数(前足5本×2、後足4本×2)

猫の爪の構造とクイックの見分け方

猫の爪を光にかざすと、根元から半分くらいまでピンク色に透けて見える部分があります。

これを「クイック」と呼び、血管と神経が通っています。[6]

このピンク色の部分から先の、白っぽく半透明な部分が切っても良い範囲です。

クイックを切ると出血し、猫に痛みを与えてしまいます。

ポイント

黒い爪の猫はクイックが見えません。[6]その場合は少しずつ先端だけを切りましょう。不安な方は、最初は動物病院で教えてもらうと安心です。

猫の爪切りの正しいやり方と手順

準備するもの

爪切りを始める前に、以下のものを用意しましょう。

猫専用の爪切り(ギロチンタイプまたはハサミタイプ)
清潔なガーゼやコットン(出血時の止血用)
猫用おやつ(液体タイプがおすすめ)
洗濯ネットまたはバスタオル(暴れる場合)

爪切りの種類と選び方

ギロチンタイプ(慣れた方向け)
  • 切れ味が良く一瞬で切れる
  • 硬い爪でもスパッと切れる
  • 扱いに慣れるまで深爪注意

初心者の方はハサミタイプから始めるのがおすすめです。[7]

注意点

人間用の爪切りは使わないでください。猫の爪は丸く湾曲しており、人間用では爪が割れて痛みを与えてしまいます。[7]

基本の爪切り手順

1

猫がリラックスしている時を選ぶ

眠そうな時や寝起きがチャンスです。[1]おやつを与えてリラックスさせるのも効果的です。

2

猫を膝の上に抱きかかえる

後ろから抱きかかえるように座らせると安定します。

3

肉球を優しく押して爪を出す

指の根元を上下から優しく押すと爪が出てきます。[6]

4

後足の小指側から切り始める

猫は前足が敏感で内側の指ほど嫌がります。[8]後足の小指側から始めると成功しやすいです。

5

ピンクの部分(=クイック)から2mm以上手前で切る

ピンクの部分は血管が通っているので、そこを絶対に切らないようにします。白い爪なら、ピンクが見える少し手前で止めましょう。黒い爪は断面の変化(中心にやわらかく白っぽい部分が出る)を合図に少しずつ切る。

6

できたらすぐにご褒美を与える

爪を切りながらおやつを舐めさせると効果的です。[10]

ポイント

一度に全部切る必要はありません。1日1〜2本ずつで十分です。[10]無理をすると爪切りが嫌いになってしまいます。

万が一出血させてしまった時の対処法

出血した場合は、清潔なガーゼで爪の断面を5分程度圧迫止血してください。[1]

止まらない場合や出血量が多い場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。

嫌がる猫への効果的な対処法

暴れる猫を落ち着かせる3つのコツ

普段のスキンシップで足先や肉球を優しくなでましょう。[1]触られることへの抵抗感が薄れます。

洗濯ネットに入れると猫が落ち着きます。[11]網目の大きいものなら、ネットに入れたまま爪を切れます。

おやつに意識が向いている間に爪を切りましょう。[10]

段階的に慣らすステップ

爪切りが苦手な猫には、焦らず時間をかけて慣らすことが大切です。

  1. 足を触れるようになる(おやつを与えながら)
  2. 肉球を押して爪を出す練習をする
  3. 爪切りを足先に軽く当ててみる(切らない)
  4. 1本だけ切ってみる
  5. 徐々に本数を増やしていく

各ステップで成功したら、必ずおやつをあげて褒めましょう。

豆知識

寝ている間の爪切りは「安心して眠れない家」になる可能性があるためおすすめできません。[10]

どうしても無理な場合は病院やサロンへ

何度試しても暴れて切れない場合は、無理をせず動物病院やペットサロンに依頼しましょう。[1]

治療費の相場

病院・サロンでの爪切り費用目安
場所 費用 所要時間 備考
動物病院 500〜1,000円 5〜10分 診察料が別途かかる場合あり[12]
ペットサロン 500〜1,000円 5〜10分 猫対応可能か事前確認が必要

注意点

本料金表は、公開されている統計資料・調査資料(アニコム家庭どうぶつ白書等および日本獣医師会関連資料など)をもとにした目安です。実際の診療内容・費用は動物病院ごとに異なりますので、正確な金額については必ず各動物病院にお問い合わせください。

ワクチンや健康診断のついでに依頼すれば、猫の外出回数を減らせます。

適切な爪切りの頻度とタイミング

成猫・子猫・高齢猫それぞれの目安

爪切りの頻度は猫の年齢によって異なります。

年齢別爪切り頻度の目安
年齢 頻度 理由
成猫 3週間〜1ヶ月に1回 標準的な爪の伸び方
子猫 1〜2週間に1回 爪の伸びるスピードが速い[13]
高齢猫 1〜2ヶ月に1回(要確認) 爪とぎをしなくなり太く硬くなる

爪切りのタイミングを見極めるサイン

以下のような状態が見られたら、爪切りのタイミングです。

  • 爪が丸くカーブして巻き爪気味になっている
  • 猫が歩く時にカチカチと音がする
  • 抱っこした時に爪が引っかかりやすくなった

よくある質問

前足の親指(狼爪)を切り忘れがちです。どうすればいいですか?

前足には5本、後足には4本の爪があります。[12]前足内側の親指は特に忘れやすいので、チェックリストを作ると確実です。この爪は地面に接しないため伸びやすく、巻き爪になりやすいので注意が必要です。

猫の爪が黒くてクイックが見えません。どうすればいいですか?

黒い爪の場合は、ほんの少しずつ先端だけを切りましょう。不安な場合は、最初は動物病院で教えてもらうのがおすすめです。

子猫のうちから爪切りに慣れさせるコツはありますか?

子猫のうちから日常的に足を触る習慣をつけることが大切です。[10]まずは足を触られることに慣れさせ、その後爪切りを見せて慣らし、最後に実際に切る練習をしましょう。毎日1〜2本ずつ切る習慣をつけると効果的です。

まとめ

猫の爪切りは室内飼いに必要不可欠なケアです。3週間〜1ヶ月に1回を目安に、ピンク色のクイックから2mm以上離して先端2〜3mmを切りましょう。嫌がる猫には無理をせず、1日1〜2本ずつ段階的に慣らすことが大切です。日頃から足先を触る習慣をつけ、リラックス時におやつを与えながら行うとスムーズです。難しい場合は動物病院やペットサロンに依頼しましょう。費用は500〜1,000円程度です。定期的な爪切りで、猫も飼い主も安全で快適な生活を送れます。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状や治療方針は個体差が大きいため、必ず獣医師等の専門家にご相談ください。

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