ガイド

猫の予防医療ガイド【ワクチン・健康診断】

初心者飼い主さん必見!愛猫の健康を守る予防接種と健康管理の基礎知識

約8分
聴診器を当てられている猫

この記事の監修者

谷口 史奈

谷口 史奈

猫の診療室モモ 院長

猫の診療室モモ

山口大学農学部獣医学科 卒

獣医師免許JSFMねこ医学会ISFM(国際猫学会)

品川区にある「猫の診療室モモ」という猫の病院の院長です。 すべての猫にもっと気軽に医療を受ける機会をもってほしい、との思いから猫だけの病院を開業いたしました。 診療は一般的な内科診療を主とし、送迎や往診、長期ホテル預かり、保護猫活動のお手伝いなども積極的に行い、「猫との暮らしを、もっとハッピーに」をテーマとした診療を目指しています。 飼い主さまとよく相談しながら、それぞれの家庭での「幸せ」を第一に考えてケアを行っています。

この記事でわかること

  • 猫に必要なワクチンの種類と接種スケジュール
  • 定期健診の頻度と費用の目安
  • 年齢別の予防医療プランと注意点

この記事は 約7分 で読めます。

子猫を迎えた後、次に何をすべきか不安になっていませんか。

愛猫の健康を守るためには、適切な予防医療が欠かせません。

この記事では、ワクチン接種や定期健診など、猫の予防医療について初心者の方にもわかりやすく解説します。

猫の予防医療とは?基本を理解しよう

予防医療とは、病気になる前に対策を行うことで愛猫の健康を守る取り組みです。

主にワクチン接種と定期健診の2つが中心となります。

室内飼いの猫でも感染症のリスクはゼロではありません。

ポイント

完全室内飼いでも、飼い主の靴や衣服を介してウイルスが持ち込まれる可能性があります。予防医療は全ての猫に必要です[1]

感染症の中には、一度かかると治療が困難なものや、命に関わる重篤なものも存在します。

予防接種によって、これらの感染症から愛猫を守ることができます。

また、定期的な健康チェックにより、病気の早期発見・早期治療が可能になります。

猫のワクチン接種:種類と接種スケジュール

コアワクチンとノンコアワクチン

猫のワクチンは、すべての猫に推奨される「コアワクチン」と、生活環境に応じて接種を検討する「ノンコアワクチン」に分類されます[1]

コアワクチンには以下の3種類が含まれます。

猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)
猫カリシウイルス感染症
猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス感染症)

ノンコアワクチンには、猫白血病ウイルス感染症や猫クラミジア感染症などがあります。

多頭飼いや外出する猫には、これらの追加接種も検討しましょう[1]

子猫のワクチン接種スケジュール

子猫は生後6〜8週齢から、16週齢以降まで定期的にワクチン接種を行います。

母猫からもらった免疫(移行抗体)が徐々に減少するため、複数回の接種が必要です[1]

1

1回目:生後6〜8週齢

初回のワクチン接種を行います。健康状態を確認してから接種します。

2

2回目:生後10〜12週齢

1回目から3〜4週間後に2回目を接種します。

3

3回目:生後16週齢〜

確実な免疫獲得のため、16週齢以降に最終接種を行います。

4

追加接種:生後6ヵ月または1歳時

初年度の仕上げとして追加接種を実施します[1]

成猫の追加接種の頻度

成猫になってからの追加接種の頻度は、生活環境によって異なります。

完全室内飼いで他の猫との接触がない場合、コアワクチンは3年に1回の接種で十分とされています[1]

高リスク環境
  • 多頭飼いまたは外出あり
  • ペットホテル利用あり
  • コアワクチン:毎年接種推奨

ただし、猫ヘルペスウイルスと猫カリシウイルスに対する免疫は比較的持続期間が短いため、リスクの高い環境では年1回の接種が推奨されます[1]

注意点

ワクチン接種は健康な猫にのみ行います。体調不良時や妊娠中の接種は避けましょう[2]。また、接種当日〜翌日にかけて一過性の元気消失や食欲低下などが見られることがあります。症状が長く続く/重い場合は速やかに受診しましょう。

定期健診の重要性と受診スケジュール

なぜ定期健診が必要なのか

猫は体調不良を隠す習性があるため、飼い主が異変に気づいた時には病気が進行していることがあります。

定期健診によって、目に見えない変化を早期に発見できます。

特に7歳以上のシニア猫では、慢性腎臓病や甲状腺機能亢進症などの疾患が増加します。

年齢別の健診頻度

猫の年齢によって、推奨される健診の頻度は異なります。

年齢別の健診頻度と検査内容
年齢 推奨頻度 主な検査内容
0〜1歳(子猫期) ワクチン接種時 身体検査、便検査
1〜7歳(成猫期) 年1回 身体検査、血液検査、尿検査
7歳以上(シニア期) 年2回 血液検査、尿検査、血圧測定、超音波検査

若い猫でも年1回は健康診断を受けることで、基準値を把握でき、将来の変化に気づきやすくなります。

健診で行う主な検査

一般的な健康診断では、以下のような検査が実施されます。

体重測定、体温測定、心音・呼吸音の確認、口腔内チェック、リンパ節の触診など全身状態を評価します。
肝臓・腎臓機能、血糖値、電解質バランスなどを確認。貧血や炎症の有無もわかります。
腎臓病や糖尿病、膀胱炎などの早期発見に役立ちます。尿比重や尿タンパクなどを測定します。

シニア猫には、これらに加えて血圧測定や超音波検査が推奨される場合もあります。

気になる費用:ワクチンと健診にかかるお金

ワクチン接種の費用

猫の混合ワクチンの費用は、動物病院や接種するワクチンの種類によって異なります。

日本獣医師会の調査によると、猫の混合ワクチン(FeLVを含まない3種混合)の平均費用は約3,000円~6,000円です。

3,000〜6,000円
3種混合ワクチン(一般的な相場)
5,000〜7,000円
4種・5種混合ワクチン

4種や5種混合ワクチン(猫白血病ウイルスを含む)は、5,000〜7,000円程度が目安です。

初年度は複数回の接種が必要なため、合計で10,000〜20,000円程度の費用を見込んでおきましょう。

定期健診の費用

健康診断の費用目安
検査項目 費用目安 備考
基本健診(身体検査) 1,500〜3,000円 初診料を含む
血液検査(スクリーニング) 10,000〜15,000円 採血料含む
尿検査 2,000〜4,000円 採尿方法により変動
総合健診パック 20,000〜50,000円 血液・尿・エコー等

注意点

本料金表は、公開されている統計・調査資料 (アニコム家庭どうぶつ白書日本獣医師会関連資料 など) をもとにした目安です。実際の診療内容・費用は施設・地域・症例により異なるため、 正確な金額は必ず各動物病院へご確認ください。

よくある質問

完全室内飼いでもワクチンは必要ですか?

はい、必要です。様々なものを介してウイルスが持ち込まれる可能性があります。また、災害時の避難やペットホテル利用時にワクチン証明が必要になることもあります。コアワクチン(3種混合)は全ての猫に推奨されます。

ワクチン接種後の副反応が心配です

ワクチン接種後24時間以内に、発熱や元気消失などの軽い副反応が現れることがあります[2]。重篤なアナフィラキシーは稀ですが、接種は午前中に行い、その日は安静にして様子を観察しましょう。異常があればすぐに動物病院に連絡してください。

何歳まで定期健診を受けるべきですか?

健康診断に年齢の上限はありません。むしろ高齢になるほど、病気のリスクが高まるため定期的なチェックが重要です。7歳を超えたら、年2回以上の健診をおすすめします。早期発見により、治療の選択肢が広がり、愛猫のQOL(生活の質)を維持できます。

まとめ

猫の予防医療は、ワクチン接種と定期健診を柱として愛猫の健康を守ります。子猫期には複数回のワクチン接種が必要で、成猫になってからも生活環境に応じた追加接種を継続しましょう。完全室内飼いの猫でも3種混合ワクチンは全ての猫に推奨されます。定期健診は若いうちから年1回、7歳以上では年2回が理想的です。初年度のワクチン費用は10,000〜20,000円、年間の健診費用は15,000〜25,000円程度を目安にしてください。かかりつけ医と相談しながら、愛猫に最適な予防医療プランを立てることが大切です。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状や治療方針は個体差が大きいため、必ず獣医師等の専門家にご相談ください。

この記事のレビュー

レビューを投稿するにはログインが必要です

ログインしてレビューを投稿する
まだレビューがありません。最初のレビューを投稿してみませんか?