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猫の耳掃除のやり方・頻度ガイド

耳ダニや外耳炎の症状・原因・予防法まで獣医師監修

約7分
耳掃除をされている猫

この記事の監修者

谷口 史奈

谷口 史奈

猫の診療室モモ 院長

猫の診療室モモ

山口大学農学部獣医学科 卒

獣医師免許JSFMねこ医学会ISFM(国際猫学会)

品川区にある「猫の診療室モモ」という猫の病院の院長です。 すべての猫にもっと気軽に医療を受ける機会をもってほしい、との思いから猫だけの病院を開業いたしました。 診療は一般的な内科診療を主とし、送迎や往診、長期ホテル預かり、保護猫活動のお手伝いなども積極的に行い、「猫との暮らしを、もっとハッピーに」をテーマとした診療を目指しています。 飼い主さまとよく相談しながら、それぞれの家庭での「幸せ」を第一に考えてケアを行っています。

この記事でわかること

  • 猫の耳ケアの基本手順と適切な頻度
  • 耳ダニや外耳炎の症状と対処法
  • 嫌がる猫への上手なケア方法

この記事は 約10分 で読めます。

猫が頻繁に耳をかいている姿を見て、心配になったことはありませんか。

耳は猫にとって非常に重要な器官ですが、正しいケア方法を知らない飼い主さんも多いのが現状です。

猫の外耳炎の原因としてミミヒゼンダニ(耳ダニ)の寄生も多く、早期発見と適切なケアが重要になります。

この記事では、猫の耳ケアの正しい方法と適切な頻度、耳をかゆがる原因や対処法まで、初心者の飼い主さんにもわかりやすく解説します。

猫の耳ケアの基本知識

猫の耳の構造と自浄作用

猫の耳は外耳、中耳、内耳の3つの部位に分かれています。

外耳は耳介から鼓膜までの部分を指し、この外耳道には自浄作用があります。

通常であれば、耳垢は耳の奥側から外側へと自然に押し出されるため、頻繁な掃除は不要です。

ポイント

猫の耳には本来、自浄作用が備わっているため、過度な耳掃除はかえって耳内を傷つける原因になります。基本は「見える範囲を軽く拭く程度」で十分です。

耳ケアが必要な理由

猫の外耳道はL字型に曲がっており、通気性が悪く湿気がこもりやすい構造です。

このため、耳垢が過剰に溜まると細菌や真菌が繁殖しやすくなります。

定期的な観察とケアにより、外耳炎などの病気を早期発見できるメリットがあります。

正しい耳ケアの頻度と方法

適切な耳チェックの頻度

耳の状態チェックは週に1回程度が目安です。

汚れが目立つ場合にのみ、見える範囲を軽く拭き取る程度で十分です。

ただし、気温が上がる春から夏、梅雨の時期は高温多湿となるため、耳内で微生物が増えやすく、耳のトラブルが生じやすい傾向があるため、普段より注意して観察しましょう。

注意点

耳掃除を頻繁に行ったり、汚れていないのに掃除をしたりすると、耳を傷つけるリスクがあります。過度な掃除は外耳炎の原因にもなるため、やりすぎには十分注意しましょう。

基本的な耳ケアの手順

1

準備

水で湿らせた柔らかいコットンやガーゼを用意します。専用のイヤークリーナーを使用する場合は、動物病院で推奨されたものを選びましょう。

2

耳の確認

猫の耳を軽く後ろに反り返すように引っ張り、耳の中の状態を確認します。赤みや悪臭、黒い耳垢の有無をチェックしましょう。

3

拭き取り

湿らせたコットンを人差し指に巻き付け、撫でるように優しく耳垢を拭き取ります。このとき、見える範囲だけを掃除し、奥まで無理に拭こうとしないことが重要です。

豆知識

綿棒を使う場合は、耳の入り口付近のみにとどめ、奥まで入れないよう注意しましょう。猫が突然動いた際に耳の中を傷つける危険があります。

耳の異常サインと病気

こんな症状は要注意

頻繁に耳を掻く、頭を激しく振る
黒褐色の乾いた耳垢が大量に出る
耳から悪臭がする
耳が赤く腫れている
耳を触ると嫌がる、痛がる

これらの症状が見られる場合、外耳炎や耳ダニ症の可能性があります。

耳ダニ症(耳疥癬)について

ミミヒゼンダニは、猫の外耳炎の原因としてよくみられる寄生虫です。砂っぽい黒い耳垢がたまり、耳をかゆがって強くかいたり、頭をしきりに振るのが目立ちます。

耳ダニは肉眼では確認しにくい微小な寄生虫で、猛烈なかゆみを引き起こします。

感染経路は主に猫同士の接触で、特に子猫や外に出る機会がある猫で多く見られます。

注意点

人間への感染はまれですが起こり得ます。症状が持続・増悪する場合は皮膚科を受診してください。

外耳炎の原因と症状

外耳炎は、外耳道に炎症が起きている状態を指します。

原因は多岐にわたり、耳ダニの寄生のほか、細菌や真菌の感染、アレルギー、異物の混入などがあります。

外耳炎は軽度であれば比較的短期間で治ることも多いですが、再発を繰り返す猫もいます。

嫌がる猫への上手なケア方法

リラックスさせる準備

猫にとって耳は非常に敏感な部分のため、触られることを嫌がるのは自然な反応です。

まずは、猫が楽な姿勢になるようにして、頭や耳を優しく撫でながらリラックスさせましょう。

お気に入りのおやつを与えながら行うと、耳掃除に対する抵抗感が減ることがあります。

無理をしないことが大切

嫌がって抵抗した場合は、無理に押さえつけたりせず、すぐに解放してあげてください。

大きな声であやしたり、強い力で体を押さえつけると、猫が怖がってしまいます。

継続的な耳掃除を成功させる秘訣は、なるべく嫌な思いをさせないことです。

コツ

最初は耳を触る練習から始め、徐々に拭き取りに慣れさせていく方法が効果的です。一度に完璧に掃除しようとせず、数日に分けて少しずつ行うのも良いでしょう。

動物病院での処置も選択肢に

自宅でのケアが難しい場合は、動物病院での耳掃除を定期的に利用することも一つの方法です。

特に耳の奥まで汚れている場合や、炎症が疑われる場合は、専門家に任せる方が安全です。

猫では耳洗浄で斜頸やふらつき、眼振などの症状が出ることがあり、獣医師の指示なく猫の耳の中の洗浄を行うのは避けましょう。

よくある質問

耳掃除の頻度はどのくらいが適切ですか?

週に1回程度の耳チェックを行い、汚れが目立つ場合にのみ掃除をします。健康な猫であれば、月に1〜2回程度の軽い拭き取りで十分です。過度な掃除はかえって耳を傷つける原因になるため、やりすぎには注意しましょう。

黒い耳垢が出てきたのですが、これは正常ですか?

少量の黒褐色の耳垢は正常範囲内ですが、大量に出る場合や乾いたコーヒーかすのような耳垢が見られる場合は、耳ダニの可能性があります。猫が頻繁に耳を掻いている場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

耳掃除を嫌がる猫には、どうすればよいですか?

無理に押さえつけず、リラックスした状態で少しずつ慣れさせることが大切です。お気に入りのおやつを与えながら行ったり、最初は耳を触る練習から始めるなど、段階を踏んで慣れさせましょう。どうしても難しい場合は、動物病院での処置を検討してください。

まとめ

猫の耳ケアは、週に1回程度のチェックと、汚れが目立つ場合の軽い拭き取りが基本です。猫の外耳炎の主要な原因のひとつは耳ダニで、黒い耳垢や頻繁に耳を掻く仕草が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。過度な耳掃除は耳を傷つける原因になるため、見える範囲を優しく拭く程度にとどめ、嫌がる場合は無理をしないことが大切です。定期的な観察により、愛猫の耳の健康を守りましょう。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状や治療方針は個体差が大きいため、必ず獣医師等の専門家にご相談ください。

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