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マルチーズの飼い方完全ガイド|純白の愛玩犬の性格・病気・費用

甘えん坊な「貴婦人の犬」の魅力と涙やけ・門脈シャントへの備え

約13分
明るい表情の犬

マルチーズを飼う前に知っておきたいこと

純白の絹のような被毛。気品あふれる姿の中に、甘えん坊で遊び好きな性格が隠れています。マルチーズは古代から愛されてきた「貴婦人の犬」。抜け毛は少ないものの被毛の手入れと涙やけ対策は必須で、膝蓋骨脱臼や門脈シャントなど超小型犬ならではの好発疾患にも注意が必要です。

マルチーズ 基本データ

体高 20〜25cm
体重 3〜4kg
寿命 12〜15年
価格帯 15〜35万円
原産国: 中央地中海沿岸地域 グループ: 愛玩犬
運動量 ★★☆☆☆
抜け毛 ★☆☆☆☆
しつけやすさ ★★★☆☆
初心者向き ★★★★☆

真っ白な被毛をなびかせて、トコトコと飼い主のあとをついてくる。膝に乗ると安心したように目を細める。マルチーズは見た目の気品とは裏腹に、甘えん坊な性格の持ち主です。

3,000年以上の歴史をもつとされる世界最古の愛玩犬のひとつ。古代ローマでは貴婦人の膝の上で暮らし、ルネサンス期の絵画にもたびたび描かれてきました。日本でも1970〜80年代に爆発的な人気を博し、今なお根強いファンが多い犬種。そのエレガントな姿と甘え上手な性格は、時代を超えて人の心を掴み続けています。

マルチーズの基本情報

マルチーズの起源は中央地中海沿岸地域。地中海の港町でネズミ捕りとして活躍していたとされ、その後ヨーロッパの貴族社会で愛玩犬として定着しました。犬種名は地中海に浮かぶマルタ島に由来するという説が有力ですが、アドリア海のメレダ島(現クロアチア・ムリェト島)に由来するという異説もあります。

国内の犬籍登録団体であるJKC(ジャパンケネルクラブ)のスタンダードでは、体高はオス21〜25cm・メス20〜23cm、体重3〜4kg。ベルギーに本部を置くFCI(国際畜犬連盟)の分類ではNo.65、第9グループ(愛玩犬)に属します。アメリカの犬種登録団体であるAKC(アメリカンケネルクラブ)では体重3.2kg(7ポンド)以下が基準で、理想体重は1.8〜2.7kg。JKC基準のほうがやや大きめです。

外見の最大の特徴は、床まで届くほどの純白の直毛。シングルコートで下毛がないため、抜け毛は非常に少ないのが嬉しいポイント。ただし伸び続ける被毛はケアを怠ると絡まって毛玉になります。ショードッグのようなフルコート(長毛を伸ばしたスタイル)を維持する飼い主もいますが、ペットとして飼う場合は短くカットする「パピーカット」や「テディベアカット」が一般的です。

毛色はピュアホワイトのみ。淡いアイボリーは許容されますが、クリームやオレンジがかった色は望ましくないとされています。黒い鼻と目のコントラストが、白い被毛のなかで愛らしい表情を際立たせます。

日本では1968年にJKCに登録されて以降、1970〜80年代に「マルチーズブーム」が到来。登録頭数は一時トップになるほどの人気でした。現在はトイプードルやチワワに首位を譲っていますが、安定した支持を集め続けています。

寿命は12〜15年。小型犬らしく比較的長寿な犬種で、適切なケアで15年以上生きる個体も珍しくありません。

マルチーズの性格・特徴

飼い主が大好き。とにかく大好き。マルチーズの愛情表現はストレート。飼い主の膝の上でくつろぐのが至福の時間で、撫でてもらうと目を細めてうっとりします。

JKCのスタンダードでは「活発、愛情深く、穏やかで知的」と紹介されています。小さな体ながら意外と勇敢で、大きな犬に対しても怯まない気の強さも。番犬としての資質もあり、来客や物音に対して吠えて知らせようとする傾向があります。

しつけに対しては、やや気まぐれな一面が。気分が乗らないと指示を無視することもあり、根気強さが試される場面があるかもしれません。ただし食べ物への意欲は高いので、おやつを使ったポジティブなトレーニングなら比較的スムーズに進みます。トイレトレーニングは小型犬全般にいえることですが、少し時間がかかることが多い犬種です。

多頭飼いとの相性は良好。他の犬や猫とも比較的うまくやれますが、自分より大きな犬に対して吠えて挑むこともあるため、初対面は慎重に。小さな子どもとの暮らしでは、子どもが犬を落としたり踏んだりしないよう、大人が見守る必要があります。

甘えん坊ゆえに分離不安になりやすいのが注意点。長時間のひとりぼっちが苦手で、留守番中に過度に吠えたり、物をかじったりすることも。共働き家庭では、子犬期からの留守番トレーニングが大切です。

こんな人には向かない
  • 毎日長時間の留守番をさせる生活
  • 被毛の手入れに時間をかけたくない人
  • 小さな子どもがいる家庭(骨折リスク)

「涙やけ」はマルチーズの永遠のテーマ

目の下の毛が赤茶色に変色する「涙やけ」は、白い被毛のマルチーズで特に目立つ悩み。涙の量が多い犬種であることに加え、白い毛だと変色が一目瞭然。毎日の目まわりのケアと、涙やけ対策用のフード選びが長い付き合いになります。

マルチーズの飼い方のポイント

マルチーズの飼育で日課になるのが被毛のケア。シングルコートで抜け毛は少ないものの、絹のような直毛は絡まりやすく、毎日のブラッシングが理想的です。短くカットしている場合でも、最低週3〜4回はブラッシングしましょう。月1回のプロのトリミング(5,000〜8,000円程度)も欠かせません。

涙やけ対策は毎日の日課。目のまわりを専用クリーナーやぬるま湯で湿らせたコットンで優しく拭き取ります。涙が多い原因が鼻涙管の詰まりや食物アレルギーにある場合もあるため、改善しなければ獣医師に相談してください。

運動量は少なめで大丈夫。1日15〜20分の散歩と室内遊びで十分です。ただし散歩ゼロは社会化の維持の面からもおすすめしません。体が非常に小さいため、落下や踏みつけによる骨折には日常的に注意を。ソファからの着地や抱っこからの落下が前足の骨折につながるケースがあります。

寒さに弱い犬種です。冬場の外出には防寒着を着せ、室温は20〜25度に保ちましょう。夏場も直射日光を避け、エアコンで快適な環境を維持してください。

歯のケアは超小型犬の宿命。小さな顎に歯が密集するマルチーズは歯周病になりやすく、毎日の歯磨きが理想です。最低でも週3〜4回のデンタルケアを習慣にしましょう。

毎日〜週3回以上のブラッシング
毎日の涙やけケア(目まわりの清拭)
月1回のプロのトリミング
落下・踏みつけによる骨折リスクの管理
毎日〜週3回以上の歯磨き

白い被毛は汚れが目立ちやすいため、散歩後は足裏やお腹まわりを拭いてあげましょう。雨の日の散歩は泥はねで全身が茶色くなることも。レインコートの着用がおすすめです。

食事は少量多回が基本。子犬期は低血糖を起こしやすいため、1日3〜4回に分けて与えてください。低血糖の症状(ぐったり、震え、意識低下)が出たらブドウ糖や砂糖水を与え、すぐに動物病院へ。成犬でも1日2回以上に分けるのが安心です。

マルチーズがなりやすい病気

マルチーズは超小型犬ならではの疾患に加え、この犬種に多い肝臓の病気にも注意が必要です。

疾患名 主な症状 好発年齢 予防・早期発見
膝蓋骨脱臼(ひざの皿がずれる) 後肢のスキップ歩行、足を上げて歩く 全年齢 肥満予防、段差回避
門脈シャント(肝臓の血流異常) 発育不良、ふらつき、けいれん 生後数ヶ月〜 血液検査(胆汁酸値)
僧帽弁閉鎖不全症(心臓の弁の病気) 咳、疲れやすさ、呼吸困難 8歳以降 年1回の心臓聴診
歯周病(歯ぐきの炎症) 口臭、歯ぐきの赤み・出血 3歳以降 毎日の歯磨き

門脈シャント(門脈体循環シャント)に要注意

マルチーズで特に気をつけたい先天性疾患です。本来は肝臓を通るべき血液がバイパス(迂回路)を通って流れてしまい、肝臓が正常に機能しなくなる病気。子犬の頃から「兄弟より体が小さい」「食後にふらつく」「けいれんを起こす」といった症状が見られます。血液検査で胆汁酸値を調べることで早期発見が可能。手術で改善するケースが多いため、早めの診断が大切です。

膝蓋骨脱臼(膝の皿が正常な位置からずれる疾患)は、マルチーズを含む超小型犬で多い整形外科疾患のひとつ。散歩中に後ろ足をケンケンする、急に足を上げてスキップするといった症状が特徴的です。肥満を防ぎ、段差やジャンプを減らすことが予防の基本。

僧帽弁閉鎖不全症(心臓の弁がうまく閉じなくなる病気)は、シニア期の小型犬に多い心臓病です。初期は無症状ですが、進行すると咳や疲れやすさが現れます。年に1回以上の心臓聴診で早期発見を心がけましょう。

歯周病は超小型犬の宿命ともいえる疾患。マルチーズの小さな顎には歯が密集しているため歯石がたまりやすく、3歳以上の犬の約80%が何らかの歯周病にかかるとされています。歯周病が進むと歯が抜け落ちるだけでなく、細菌が血流に入り心臓や腎臓に悪影響を及ぼすことも。毎日の歯磨きと、年1回の動物病院での歯石除去が予防の柱です。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状や治療方針は個体差が大きいため、必ず獣医師にご相談ください。

マルチーズの価格相場と入手方法

15〜35万円 ペットタイプの相場
約5〜8万円 初期費用の目安
約15〜25万円/年 年間維持費の目安

マルチーズの価格は血統・性別・被毛の質によって幅があり、ペットタイプで15〜35万円が一般的な相場。メスはオスよりも数万円高い傾向があります。被毛の白さやシルクのような質感が優れた個体は高値がつきやすい犬種です。

迎えるならブリーダーからの直接購入が安心。マルチーズは門脈シャントなどの先天性疾患があるため、親犬の健康診断や遺伝子検査の実績を確認しましょう。膝蓋骨と心臓の検査結果も開示しているブリーダーが信頼できる目安です。子犬の頃から涙やけが目立つ場合は鼻涙管の詰まりがないか、ブリーダーに確認しておくとよいでしょう。

年間維持費の内訳は、フード代2〜4万円(食べる量が少ない)、トリミング代5〜9万円(月1回5,000〜8,000円)、ペット保険2〜4万円、定期健診・ワクチン2〜3万円、歯科・涙やけケア用品1〜2万円、日用品1〜2万円、急な通院への備え3〜5万円が目安。超小型犬のため食費は控えめですが、トリミング代と涙やけケアの費用が特徴的です。門脈シャントの手術が必要になった場合は30〜60万円程度の費用がかかるため、ペット保険への加入も検討してください。

掲載している価格はあくまで目安です。実際の価格は血統、毛色、性別、年齢、地域、ブリーダー、時期などによって大きく異なります。

よくある質問

マルチーズはマンションでも飼えますか?

マンション向きの犬種です。体が小さく運動量も少ないため、限られたスペースでも快適に過ごせます。抜け毛もほぼないので室内が毛だらけになる心配はありません。ただし吠えやすい傾向があるため、子犬期からの社会化としつけで無駄吠えを減らす努力は必要です。

マルチーズは初心者でも飼いやすいですか?

性格面では初心者にも飼いやすい犬種です。穏やかで愛情深く、サイズも扱いやすい。ただし被毛のケア(毎日のブラッシング+月1回のトリミング)と涙やけの管理が日常的に必要な点は覚悟を。お手入れの時間と費用を確保できるなら、初めての犬として自信をもっておすすめできる犬種です。

マルチーズの飼育費用は月にいくらかかりますか?

月額の目安は1〜2万円程度です。フード代1,500〜3,000円、ペット保険1,500〜3,000円、消耗品1,000〜2,000円が毎月の基本。これにトリミング代5,000〜8,000円が毎月加わります。涙やけ対策のクリーナーやサプリメントも月1,000〜2,000円程度。超小型犬のため食費は抑えめですが、トリミング代を含めると他の小型犬と同程度の費用感になります。

まとめ

マルチーズは3,000年以上の歴史をもつ純白の愛玩犬。甘えん坊で穏やかな性格はマンション飼いにも最適ですが、被毛のケアと涙やけ対策は毎日の日課です。門脈シャントや膝蓋骨脱臼などの好発疾患を理解し、お手入れの時間と費用を確保できる飼い主にとって、生涯寄り添ってくれる最良のパートナーでしょう。

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