ガイド

猫のシャンプーのやり方・頻度ガイド

初心者でも安心!嫌がる猫への対処法も

約10分
シャンプー後の可愛い猫

この記事の監修者

谷口 史奈

谷口 史奈

猫の診療室モモ 院長

猫の診療室モモ

山口大学農学部獣医学科 卒

獣医師免許JSFMねこ医学会ISFM(国際猫学会)

品川区にある「猫の診療室モモ」という猫の病院の院長です。 すべての猫にもっと気軽に医療を受ける機会をもってほしい、との思いから猫だけの病院を開業いたしました。 診療は一般的な内科診療を主とし、送迎や往診、長期ホテル預かり、保護猫活動のお手伝いなども積極的に行い、「猫との暮らしを、もっとハッピーに」をテーマとした診療を目指しています。 飼い主さまとよく相談しながら、それぞれの家庭での「幸せ」を第一に考えてケアを行っています。

この記事でわかること

  • 猫のシャンプーの必要性と適切な頻度
  • 嫌がる猫への対処法と正しい洗い方
  • おすすめシャンプーの選び方とケアのコツ

この記事は 約8分 で読めます。

猫を飼い始めて数か月、ふと愛猫の体臭が気になり始めたあなた。でも「猫にシャンプーって本当に必要なの?」と疑問に思っていませんか。

実は猫は基本的にシャンプー不要な動物です。猫は1日の起きている時間のかなりの割合を毛づくろいに費やし、自分で体を清潔に保つことができます。

しかし長毛種や皮膚トラブルがある場合など、シャンプーが必要になるケースも。この記事では初心者飼い主さんが知っておくべき猫のシャンプーの全てを解説します。

猫のシャンプーは本当に必要?基礎知識と頻度

猫がシャンプー不要な理由

猫は野生時代、砂漠地帯で暮らしていたとされており、水に濡れることに慣れておらず、多くの猫は水を嫌がります。

猫が自分でグルーミングできる理由は、舌の構造にあります。猫の舌には糸状乳頭という突起があり、これがブラシの役割を果たします。

グルーミングには清潔を保つだけでなく、体温調節やリラックス効果もあります[1]。完全室内飼いで短毛種なら、ブラッシングをしっかり行えばシャンプーは基本的に不要です。

シャンプーが必要なケース

次のような場合は、シャンプーを検討しましょう。

長毛種で毛玉ができやすい
排泄物で体が汚れた
皮膚病の治療が必要
猫アレルギーを持つ家族がいる
高齢でグルーミングができなくなった

ポイント

猫の皮膚のpHは約7.0で人間の弱酸性とは異なります。人間用シャンプーは絶対に使わないでください。猫専用のシャンプーを使用しましょう。

適切なシャンプーの頻度

基本は不要/汚れや皮膚疾患時など必要時のみにしましょう。

頻度は被毛・環境・医療上の目的により数週間〜数か月に1回程度の幅で、獣医師と相談して決めましょう。

頻繁にシャンプーをしすぎると、皮膚のバリア機能が低下し、皮膚トラブルの原因になります。

注意点

子猫の場合は生後3ヶ月以上でワクチン接種が完了してからシャンプーを始めましょう。免疫力が低い時期のシャンプーは体調不良を引き起こす可能性があります。

嫌がる猫への対処法と正しいシャンプーのやり方

シャンプー前の準備

シャンプーを始める前に、以下の準備をしましょう。

1

爪切りをする

嫌がって暴れた時のケガ防止のため、事前に爪を切っておきましょう。

2

ブラッシングをする

毛のもつれや毛玉を解いておくと、シャンプーがスムーズになります。

3

お湯の温度を確認

体温に近いぬるま湯(手の甲で熱く感じない程度)を目安にしましょう。

4

シャンプーを希釈

猫用シャンプーをお湯で2倍程度に薄めて泡立てておきます。

シャンプーの手順

以下の手順で丁寧に洗いましょう。

1. 全身を濡らす
お尻の方から少しずつお湯をかけていきます。シャワーヘッドを体に密着させると、水の音や水圧を抑えられます。顔は最後に濡らすか、嫌がる場合は濡らさなくても大丈夫です。

2. シャンプーで洗う
希釈したシャンプーを体につけて、優しくマッサージするように洗います。特に皮脂が多い尻尾の付け根は念入りに洗いましょう。

3. しっかりすすぐ
シャンプーが残らないよう、丁寧にすすぎます。すすぎ残しは皮膚トラブルの原因になるので注意が必要です。

すすぎのコツ

顔に泡がついた状態を嫌がる猫が多いため、洗う時とは逆に顔から体の順にすすぐとストレスが軽減できます。

嫌がる猫への対処法

多くの猫はシャンプーを嫌がります。以下の方法を試してみましょう。

最も効果的な方法は、子猫の頃から少しずつ水に慣れさせることです。最初は足先だけをお湯につけるなど、段階的に慣らしていきましょう。ただし、成猫から始める場合は無理強いしないことが大切です。
水を使わないドライシャンプーは、どうしても水を嫌がる猫におすすめです。泡タイプやシートタイプなど、様々な製品があります。ただし、洗浄力は通常のシャンプーに劣ります。
いきなり全身を洗うのではなく、汚れた部分だけを洗う部分洗いから始めましょう。足先やお尻など、必要な箇所だけをケアすることで、猫のストレスを軽減できます。

激しく嫌がる場合は、無理に自宅で行わず、動物病院やトリミングサロンに依頼することも検討しましょう。プロに任せることで、猫と飼い主さん双方のケガを防げます。

シャンプー後の乾かし方とドライヤーのコツ

タオルドライの重要性

シャンプー後はまずタオルで水分をしっかり拭き取りましょう。猫の毛は上毛と下毛の二重構造で非常に乾きにくいため、タオルドライが重要です。

吸水性の高いタオルを複数枚用意し、こすらず押さえるように水分を取ります。この作業を丁寧に行うことで、ドライヤーの時間を短縮できます。

ドライヤーの使い方

ドライヤーの音や風を怖がる猫は多いです。以下のポイントに注意しましょう。

ドライヤーは弱風かつ手の甲で熱く感じない距離で、一点に当て続けないことを心がけましょう。

毛をかき分けながら、根元から風を当てていきます。ブラシを使いながら乾かすと、より効率的に水分を飛ばせます。長毛種は特に根元まで完全に乾かすことが重要です。

ポイント

ドライヤーが初めての猫には、シャンプー前にドライヤーの音に慣れさせる練習をしておくと良いでしょう。弱風から始めて、徐々に慣らしていきます。

自然乾燥はNG

生乾きは皮膚トラブルの一因となることがありうるため、可能な範囲で速やかな乾燥(タオル+低刺激乾燥)を心がけましょう。ストレスが強い子は無理をせず獣医師と方法を相談しましょう。

どうしてもドライヤーを嫌がる場合は、暖かい部屋に移動させ、吸水タオルを何度も取り替えながら、できるだけ早く乾かす工夫をしましょう。

おすすめシャンプーの選び方と猫アレルギー対策

猫用シャンプーの選び方

シャンプー選びで重要なポイントは以下の通りです。

猫専用のものを選ぶ
人間用や犬用は猫の皮膚に合わないため、必ず猫専用のシャンプーを使いましょう。猫の皮膚pHは約7.0で人間の約4.8とは大きく異なります[3]

低刺激性を選ぶ
猫の皮膚は人間の約半分の厚さしかなく、非常にデリケートです。無香料や低刺激性のものが適しています。強い香りは猫にストレスを与える可能性があります。

毛質に合わせて選ぶ
長毛種には静電気を防ぐリンスイン効果のあるもの、短毛種にはサッと洗い流せるタイプがおすすめです。

皮膚トラブルがある場合

皮膚病の治療中は、獣医師が処方する薬用シャンプーを使いましょう。一般的なシャンプーでは症状が悪化する可能性があります。

抗菌作用のあるシャンプーは、増殖した菌を減らし清潔な状態を保つのに効果的です。ただし、使用頻度や期間は必ず獣医師の指示に従ってください。

猫アレルギー対策としてのシャンプー

猫アレルギーを持つ人の約96%が、Fel d 1というタンパク質に反応します。このアレルゲンは猫の皮脂腺や唾液に含まれ、グルーミングによって毛に付着します。

定期的なシャンプーで毛に付着したアレルゲンを洗い流すことで、環境中のアレルゲンを一時的に減らすことができます。ただし、完全に除去することはできないため、他の対策も併用しましょう。

注意点

シャンプーによるアレルゲン除去効果は一時的です。猫アレルギーの症状が重い場合は、医師に相談し適切な治療を受けることが重要です。

よくある質問

猫がシャンプーを嫌がって大暴れします。どうすればいいですか?

無理に行わず、まずはドライシャンプーや部分洗いから始めましょう。それでも難しい場合は、動物病院やトリミングサロンに相談してください。プロの手に任せることで、猫と飼い主さん双方の安全を守れます。場合によっては適切な鎮静下でのシャンプーという選択肢もあります。

シャンプーはいつから始めればいいですか?

子猫は免疫力が低いため、シャンプーによる体調不良のリスクがあります。体調が安定し体温調節に不安がない時期に、ワクチン直後は避けつつ、開始時期は獣医師に相談することをおすすめします。

シャンプー後、どのくらい時間をかけて乾かせばいいですか?

猫の毛は非常に乾きにくいため、しっかりタオルドライした後、ドライヤーで根元まで完全に乾かす必要があります。長毛種なら30分以上かかることもあります。生乾きは皮膚トラブルの原因になるため、時間をかけて丁寧に乾かしましょう。

まとめ

猫は基本的にシャンプー不要ですが、長毛種や皮膚トラブルがある場合は必要になります。ぬるま湯と猫専用シャンプーを使い、すすぎ残しがないよう丁寧に洗いましょう。嫌がる猫には無理強いせず、ドライシャンプーや部分洗い、プロへの依頼も検討してください。シャンプー後は完全に乾かすことが重要です。愛猫の性格や体質に合わせた方法を見つけ、ストレスの少ないケアを心がけましょう。

本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状や治療方針は個体差が大きいため、必ず獣医師等の専門家にご相談ください。

この記事のレビュー

レビューを投稿するにはログインが必要です

ログインしてレビューを投稿する
まだレビューがありません。最初のレビューを投稿してみませんか?